決算書を読むシリーズ#1
無事、仕訳ができて決算書が作成できるようになりました。そこで、今回からは、この決算書の読み方について少しだけ触れていきたいと思います。(記帳して決算書が作成され、「この状況どうかな?」と聞かれることがあるので、分かる範囲で触れたいと思います。詳細な経営分析は、どうか専門家にお願いしてください)
先ず、最初に注目すべきは貸借対照表の元入金です。企業で言えば自己資本(純資産)に当たるもので、開業してから現在までの利益の状況を表しています。仮に銀行に融資を依頼したとき、銀行員が初めに確認するところとのことで、とても重要です。
元入金は次のように計算されます。
先ずはとてもシンプルに。自己資金100を使って開業したときは、元入金は100になります。そして、利益が300出た時、元入金は100+300=400になります。逆に、50の赤字だった場合は、100ー50=50になります。
元入金=元入金+利益
次に、個人事業主は、利益の中から生活費を出しているかと思います。「事業主貸」ですね。上記の例で、生活費として200を支出した場合、元入金は100(自己資本)+300(利益)-200(事業主貸)=200となります。赤字だった場合は、100(自己資本)ー50(利益(赤字))-200(事業主貸)=ー150になります。
元入金=元入金+利益ー事業主貸
ここで疑問です。元入金はマイナスになっていいの?」かどうかです。結論は、計算上はマイナスになっても間違いありません、正しいです。しかし実情は考える必要があるかと思います。
というのは、上記の「元入金=元入金+利益ー事業主貸」の計算式のとおり、元入金がマイナスということは、お店の利益よりも生活費(事業主貸)の方が大きい可能性があります。つまり、事業としては赤字ということであり、銀行は、ここがマイナスだと、「仮にお金を貸した場合、本当に回収できるのか?」と用心深くなります。なので、元入金がマイナスになったり、前年と比較して減った場合は、「今回だけ特別な事情(支出)があったのか?」「削減すべき経費はあるのか?」など、事業を再確認した方がいいかと思います。
元入金の詳細な説明は以下に紹介されています。是非、ご参照ください。
https://useacc.com/2016/11/02/motoirekin/